英単語の勉強法
英語を学ぶ上で単語・熟語の勉強はとても大事です。
英語にしても日本語にしても,文章というものは単語の集まりでできているので,それぞれの単語の意味を知らなければ文章が読めませんし,解釈を間違ってしまうこともあります。
入試本番で英文をスラスラと読むためには,語彙力をできるだけ強化することが不可欠です。
でも,「単語」「熟語」「暗記」というキーワードを聞くと,気が滅入ってしまう人もいますよね。膨大な量をどうやって覚えたらよいか分からないし,憶えては忘れ…の連続で挫折してしまったという人も多いでしょう。
正しいレベルからはじめる
単語の勉強で挫折してしまう人の多くは,教材のレベルが間違っています。
ほとんどの人は学校で配られた単語帳や,ネットや書店などで目にした人気のある教材を使っているようですが,そもそもその教材レベルが本来の実力と大きくかけ離れているということが考えられます。
試しに自分で持っている単語帳を適当に開いてみてください。
そして,見開き2ページに掲載されている単語を次の3つに分類してみてください。
A:すでに意味を知っている単語
B:見たことはあるけど意味が思い出せない単語
C:初めて見る単語
もしほとんどがBかCに分類されようであれば単語帳のレベルが間違っていると言えます。おそらく,その単語帳よりもレベルが低い単語帳にヌケ・モレがある可能性が極めて高いです。
単語の勉強をするなら,AとBが70~80%以上を占めるような教材からはじめましょう。
見たことはあるけど意味がパッと出てこないという単語を徹底的に完璧に覚え固めていくのです。はじめて目にする単語だらけの教材に比べて勉強のハードルはかなり下がりますし,効果を実感しやすいのでストレスが少なく継続することができるはずです。
適切なスタートレベルが分からないという人は,ゼロスタの実力チェックを受けてみてください。無料で適切な診断ができるのでオススメです。
初学者の場合
ABCから始めるような初学者の人は,単語よりも先に英文法の学習を優先させましょう。
文法の問題集を反復学習するなかでもある程度は自然に語彙力がついていきます。
本格的な単語の勉強は,早くても中1の英文法が終わってからで大丈夫です。
まずは中学英単語を完璧に
中学レベルをバカにしてはいけません。
掲載されている単語は,みなさんが高校で配られた単語帳には載っていない「知っていて当たり前」という単語ばかりです。実際にはこのレベルにヌケ・モレがある人が大半なのですが,ここを固めないことにはその先で確実に行き詰まります。
今すでに単語の暗記が苦行のように感じている人は,初めて見るような単語ばかり載っている単語帳に手をだしてしまっているのでしょう。(学校が指定する単語帳だとそういうことが起こりやすいです)
ゼロスタ受講生のほぼ100%はおそらく中学英単語からやり直しと判定されるはずです。
でも,落ち込む必要はありません。
前に書いた「見たことあるけど意味がパッとでてこない」という単語だらけなので,取り組みやすく成果を感じるのも早いはずです。
そうやって無理せず取り組めて成果につながりやすいレベルの教材をやりこむことで,単語の効率的な勉強法を身につけてしまいましょう。きっとその先の学習もスムーズになるはずです。
単語の覚え方
基本的には,見開き2ページの単語が全て「見た瞬間に意味が言える」まで覚えていきましょう。みなさんもbook,car,play,study,small,fastなどは見た瞬間に意味が分かるはずです。それと同じレベルで即答できるようになるまで,見開き2ページの単語を徹底的に覚えましょう。
具体的なやり方は動画で確認してください。(★動画埋め込み)
単語を勉強するうえでは以下のことに気をつけてください。
・スペルは気にせず,意味が即答できることだけにこだわる。
・書いて覚えるのは時間がかかりすぎるし成果も出ないのでNG。
・単語学習は1日30分を限度にして,集中して取り組む。(何時間もやるのは非効率)
・学習記録を必ずつけ,1週間単位でペースを確認,見直しをする。
どうしても覚えられない数個のみ「暗記ノート」を作る
何度やっても間違えてしまう単語や自信のない単語は残ってしまうものです。
単語帳を最低3周やった頃を目安に,完璧になっていない単語・熟語を「暗記ノート」にまとめましょう。
左欄に単語や熟語,中央蘭に品詞(名詞であれば名,熟語であれば熟と書く)右欄に単語の意味や例文,ポイントなどを記載しましょう。
そうやって作成したオリジナルの暗記ノートを,これまでと同じやり方で1枚ずつ徹底反復して覚えていきましょう。
書いて覚えてはダメなの?
どうしても書かないと覚えられないという人もいるかもしれませんが,推奨するやり方と比べると勉強の効率は何倍も劣るのでオススメしません。
そもそもdeskやbeautifulといった単語を覚えるのに,何度も書いて覚えましたか?英文の中や文法問題など,さまざまな場面でその単語に繰り返し触れる中で,いつの間にか当たり前のように覚えていったはずです。
書かないと覚えられないという人は,実は「書いたけど覚えられない」という人がほとんどです。それは,書くということで時間をかけて勉強した気になっているだけで,実際には単純作業でしかありません。
また,スペルを覚えなければダメと考える人もいるでしょう。もちろんスペルまで完璧に覚えるのは理想ではありますが,特に初学者やReスタートをの人は,やるべきことがたくさんあります。あれもこれもと手を出すのではなく,単語であれば「意味が即答できる」というように単純化して進めていく方が圧倒的に効率が良いです。
スペルについては,入試レベルに実力が近づいた時に,英作文などで改めて勉強していけば大丈夫です。それまでにも暗記や演習問題などでなどもその単語を読み,聞き,話しているでしょうし,その過程の中で自然とスペルも覚えているはずです。だから心配せずに意味が即答で答えられれば良いと割り切って進めていきましょう。
市販教材による単語学習の推奨ルート
(1)改訂版 高校入試 世界一わかりやすい中学英単語(KADOKAWA)(★画像)
【特徴】
・品詞別に基礎のキソとなる英単語が網羅されている。
・解説はコラム形式で読みやすく,ためになる。
・全ての例文にSVOCが振ってある。ただし例文レベルは初学者にはやや難しめ。
・単語や例文の音声ダウンロードも可能。
【使い方】
本書で覚えるべき単元はCHAPTER①②⑦のみ。
CHAPTER②→CHAPTER①→CHAPTER⑦の順で,先に掲載した覚え方に従って暗記していく。
CHAPTER③~⑤は暗記用に使うのではなく,その先の英語学習で必要になった時に参考書的に使うとよい。
この1冊を完璧に固める過程で単語学習の正しいやり方を確立することを心がけましょう。
(2)システム英単語Basic<5訂版>(駿台文庫)(★画像)
【特徴】
・駿台文庫シス単シリーズの入門書
・高校基礎レベルから共通テストレベルまでの1500語と多義語が170語掲載
・品詞別に少しずつレベルが上がっていくので,基礎から学び直す人には取り組みやすい
・ミニマル(最小限)・フレーズは例文よりも覚えやすく実用性が非常に高い
・単語の音声は無料ダウンロードが可能(ミニマル・フレーズの音声は有料)
【使い方】
動画で説明した基本的な覚え方に沿って取り組みましょう。
まずはミニマル・フレーズに特化して,フレーズごと意味を即答できるまで反復して覚えていきましょう。ミニマル・フレーズが完璧になったら下段に移り,「派生語」や「ポイントチェッカー」の中で重要だと思える箇所を暗記ペン+暗記シートを使って反復学習していきましょう。
本書でStage2まで取り組んだら次の「合格英熟語」に取り組み,そのあとでStage3以降を進めましょう。
(3)改訂2版 合格英熟語300(ごま書房新社)(★画像)
【特徴】
・熟語学習の最初の1冊として最適
・基礎から共通テストレベルまでに欠かせない300語に絞って掲載
・見開き2ページに4つの熟語しかないため取り組みやすい
・テストで問われるポイントがわかる120字の解説が秀逸
・例文は演習形式なので,ひとつひとつ問題を解きながら暗記できる
【使い方】
最初にひとつひとつの熟語の解説を読みましょう。次に演習例文を読んで,文中で熟語がどのように使われているのかを確認していきましょう。
熟語を勉強していくと,前置詞を理解することが大事だと気づきます。そこで,(1)「世界一わかりやすい中学英単語」のCAPTER④「熟語に強くなる前置詞」を読んでいきましょう。前置詞の核心となるイメージが理解できると熟語の学習がはかどります。
そうやって一つ一つの熟語を解説と演習例文を理解したら,基本的な暗記方法に従って,熟語とその意味が即答できるようになるまで反復学習をしていきましょう。
本書が一通り終わったら(2)「システム英単語Basic」に戻って,Stage3とStage4の暗記を進めていきましょう。
ここまでの教材を完璧にすれば,英検2級や共通テストで8割以上を取るだけの力はついています。さらに難関レベルを目指したい人は,単語帳は「システム英単語<5訂版>」(駿台文庫),熟語帳は「まる暗記ゼロのイディオムマスター」(河合出版)がおすすめです。これまで取り組んできた暗記方法をベースに学習を続けていきましょう。
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